勝手にすごい科学で守ります 第5回

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侍戦隊シンケンジャー

モヂカラっていったい…?

 シンケンジャー最大の特徴と言っても過言でないのが、「モヂカラ」です。

 モヂカラとはシンケンジャーが持つ特殊な能力で、簡単に言うと「文字に書かれたことを具現化する」能力です。たとえば「馬」と書けば目の前に馬が出現し、「反」と書けば敵の攻撃を跳ね返し、「豊」と書けば女性陣の胸が豊かに… まぁ最後のは冗談ですが、とにかく書く文字次第でいろいろなことができる、まるで魔法のような代物なのです。

 このモヂカラ、いったいどういう原理なのでしょう。番組内ではついぞ、最後まで語られませんでしたので、ここで推測してみましょう。

 ヒントの一つは、おなじみの変身シーンにあります。先ほど“書く文字次第でいろいろなことができる”と言いましたが、実は変身に使う文字はそれぞれバラバラなのです![1] 全然別の文字を書いても、現れる効果は同じ。このことから察するに、実は書く文字自体には大した意味はないようです。文字に意味がないのだとすれば、重要になってくるのはやはり、イメージでしょう。

 文字に込められた意味から得られるイメージを具現化することで、様々な現象を起こしているのです。モヂカラとはつまり「自身の持つイメージを、文字を書くことで具現化する能力」だったのです。

 しかし、いくらそういう能力とはいえ文字を書くだけで、どこからともなく水や葉っぱが出てきたりするのは…とは皆さんもお思いでしょう。無から有は生まれません。具現化の元となるエネルギーが必要なはずです。そのエネルギーはいったいどこから来たのでしょうか?

 この記事を続けて読んでおられる方ならもうお分かりでしょう。それはアースフォースです。文字を書くことでアースフォースを外部に放出できる能力=モヂカラを持った人たちが、シンケンジャーということです。

 おそらく「馬」と書いて現れる馬も、どこからともなく現れているわけではなく、志葉家領地のどこかで飼っているものを転移させているものと思われます。馬と書くことでイメージし、呼び出しているというわけです。

携帯電話は黒電話よりも早く

 シンケンジャーの変身アイテムが「ショドウフォン」です。なんと、携帯電話から筆!に変形します。これで変身に必要な文字を書くことで変身するというわけですな。ただ変身だけでなく、他の術も全てショドウフォンで文字を書くことによって発動しますので、変身アイテムというよりはモヂカラ発動機といった方がいいかもしれません。

 おそらくはショドウフォンではなく、普通の筆を使ってもモヂカラを発動させることは可能なはずです。ただそれでは効率が悪かったのでしょう。イメージ伝達率を上げるモヂカラ発動兼増幅器、ショドウフォンが開発されました。

 ショドウフォン最大の謎といえば、これがシンケンジャー結成当初=江戸時代のあたりから使用されていることでしょう(笑)[2]

 携帯電話というものは最近になって開発されたものとばかり思っていたのですが、それは間違いだったようです。おそらく当時のショドウフォンは通信にもモヂカラを使用するものだったのでしょう。なので普通の人間には仕えませんでした。通信機部分を機械的に再現できるようになった現代になって、ようやく一般に普及してきたといったところでしょうか。

人工の星獣? 折神

 折神とはシンケンジャーの使うメカの一種で、これが合体することでロボット=侍巨人となります。ここまで読んだ方なら薄々感づいているかもしれませんね。「モヂカラの元がアースフォースなら、モヂカラでできてる折神って…」

 そう、星獣です。

 物語中、シンケンゴールド=源太が海老折神を作る過程で明らかになるのですが、折神とはモヂカラのプログラムのようなものであるとの説明があります。つまり折神とは、モヂカラによってアースフォースが物質化し、生物のような形になったものだったというわけです。星獣なのである程度の自立意思も持っていたというわけですね。

 他の星獣に比べると角ばっていて生物っぽくないとお思いの方もいるでしょうが、それも当然です。自然発生したものではなく、最初から合体を念頭において人が作ったものだからです。曲面が多いデザインは、イメージするのが難しいですからね(笑)

 この折神が他の星獣に比べて優れているのは、普段は非常に小型であるという点です。エンブレムモードといって、各々の属性の文字をかたどった形に変形しており、必要な時だけ「大」のモヂカラを込めることで巨大化させられるのです。他の星獣たちが巨体であるが故にどうしても普段の居場所に困ってしまうことを考えると、これは非常に画期的です。

 しかしこれは元からそうなるようにして作られたわけではありません。モヂカラで作られている以上、その源は製作者の体内のアースフォースです。あの大きさにするのが限界だったということでしょう。

 「大」のモヂカラで巨大化させるのは苦肉の策だったわけですが、運用上わりと便利だったので、以降の代まで踏襲しているわけです。


[1]レッドは火、ブルーは水、ピンクは天、グリーンは木、イエローは土。どの字を書いても、得られる効果は同じ「変身」。

[2]「ここばっかりは、ショドウフォンじゃなくて普通の筆にすればよかったのにな」と、放送当時の私は思いましたとさ。

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