第22話「ソンポヒーロー」
感想
日本怪獣損害保険
今回は、昔から特撮ファンの間で語られている「もしも頻繁に怪獣が現れる世界に保険会社があったら?」を実際に描いた回。
巨大怪獣は、獣害というレベルを超えてもはや地震や津波といった自然災害に近い存在と言えるので、火災保険や地震保険のように、怪獣保険という保険商品が存在するのはリアリティがあると言って良いでしょう。
ウルトラファンであれば誰でも一度は考えたことのあるネタだと思いますが、それがこうして実際に映像化される日が来るとは、長寿シリーズの歴史というものを感じますな。
ただ、実際に怪獣保険が実在した場合、たまにしか起こらない家事や地震に対する保険は被災者が少ないので商品として成り立ちますが、週一ペースで現れてビルや家屋をぶっ壊していく怪獣災害では被災者が多すぎて保険商品として成り立たないと思いますが(苦笑)
ストーリーとしては、怪獣保険会社のうだつが上がらない中堅社員と、保険加入者のおばあちゃんとのハートフルストーリーといった感じで、単発回として綺麗にまとまったいい回でしたね。
SKaRDメンバーはほぼ脇役でしたが、ウルトラだからこそ出来る話って感じでした。
縦線とかなくても、こういうのでいいのよ。こういうので。
横文字ビジネスワード連発で先輩をイジってくる後輩社員とか、他の社員がいる前で説教を始めるブラック上司とか、分かりやすさ優先とはいえちょっと“会社”というものの描写がステレオタイプすぎる気はしましたが(笑)
今回の実質的主人公スズキ テツオ役は金井勇太さん。
「ダイナ」27話でデマゴーグを作る少年役としてメインゲストで出演されていましたが、そこから25年ぶりのウルトラ出演。いやぁ、ウルトラの縁ってのは嬉しいものですな。
「ダイナ」を見てた同世代の少年たちは、今頃テツオと同じようにしがないサラリーマンライフを送っているんじゃないでしょうか。筆者もですが(遠い目)
演じる金井さんは、他のドラマだとだいたいサイコな犯罪者役とかが多いイメージなので、今回みたいに普通にいい人な役なのは結構意外でした(笑)
怪彗星ツイフォンのセルフオマージュ
怪獣保険なストーリーとは別に、なぜか今回は「ウルトラマン」の「怪彗星ツイフォン」のセルフオマージュになっていて、のっけからレッドキング(二代目)とギガスが日本アルプス山中で取っ組み合いをしている始末。
そこはドラコも呼んでやれよ。
初登場のはずのレッドキングがいきなり二代目なのは、「怪彗星ツイフォン」でギガスと戦っていたのがレッドキング二代目だったからなんですが、作中設定的には「過去にもレッドキングが出現しているため今回のを2匹目ということにした」という風になっています。
ご丁寧に、最初に現れた方のレッドキングは白目のない初代タイプのスチール写真になっているのが芸コマです。
ニュージェネでは(怪獣の再登場が当たり前なので)昭和ウルトラシリーズみたいにいちいち名前に二代目とかつけないのですが、今回は妙に「怪彗星ツイフォン」のオマージュにこだわったせいでニュージェネの慣例を打ち破ってしまうという面白い瞬間の見られる回でした。
次回、いよいよ戦いはクライマックスへ!
次回はバリバリの縦線エピソードって感じで、本作も最終回が近くなってきたなって感じがしますなー。
怪獣の大量出現は終盤エピソードっぽいんですが、さすがに1話空けての3度目のデルタンダル登場は「またデルタンダルかよw」って思ってしまいました(笑)