大ヒット中の映画「シン・ウルトラマン」。
これまでウルトラシリーズに触れてこなかった人の感想等もTwitterで流れてくるほどの盛り上がりっぷりで、ただのファンである筆者まで勝手に嬉しくなっている今日この頃です。
55年以上という長い歴史を持つウルトラシリーズ。「シン・ウルトラマン」からウルトラシリーズに興味を持った人が他の作品にも触れてみようと思った時、膨大な作品数を前にどれを見るべきか迷ってしまう人も多いかもしれません。
そこで今回は、初代「ウルトラマン」のリブート作品である「シン・ウルトラマン」と同じように、初代「ウルトラマン」と関連のあるウルトラシリーズ作品を映像作品に絞って紹介していきます。
長い歴史を持つだけあって、「シン・ウルトラマン」だけに限らず初代「ウルトラマン」は何度となくリブートだったり、続編だったりが作られているんです。
ほとんどの作品は円谷特撮作品の動画配信サービスTSUBURAYA IMAGINATIONで配信されているので、「シン・ウルトラマン」の次の1本として、視聴してみるのはいかがでしょうか?
帰ってきたウルトラマン
まず最初に紹介するのは、ずばり「帰ってきたウルトラマン」。
「シン・ウルトラマン」公開に関連したマクドナルドとのコラボでシン・ウルトラマンと一緒に登場しているので、よく知らないけど見覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。
タイトルから想像するに、初代ウルトラマンその人が主役の作品なのかと思ってしまいますが、実際は初代とは見た目が似ているだけの全くの別人。
なのでタイトルをより正確に表すと「帰ってきた(わけではない初代)ウルトラマン(似のそっくりさん)」となります。
後にこの作品に登場するウルトラマンの名前はウルトラマンジャックとなりますが、放送当時やその後の作品では初代と区別するために新ウルトラマンや、略して新マンと呼ばれたりもしました。
「シン・ウルトラマン」のタイトルが発表された時、名前からこのウルトラマンジャック(新ウルトラマン)を連想してしまったウルトラファンも多かったとか多くなかったとか。
「シン・ウルトラマン」のようなリブート作品ではありませんし、初代とは全くの別人が主人公ではありますが、初代「ウルトラマン」と世界観は共通しており、続編的な立ち位置となっています。
番組途中には初代ウルトラマン(とウルトラセブン)も帰ってきて、3人のウルトラマンが共演するという激アツエピソードもありました。
ウルトラマンジャックと初代ウルトラマンはその後、ウルトラ兄弟という精鋭集団のメンバーという設定になり、ウルトラシリーズの中でも伝説的な存在となっています。
また、「シン・ウルトラマン」の脚本を担当した庵野さんもかつて「帰ってきたウルトラマン」という同名の自主映画を作っていたこともあり、「シン・ウルトラマン」から興味を持った人はそちらを見てみるのも一興かもしれません。
ザ☆ウルトラマン
タイトルからすると初代「ウルトラマン」と何か関係あるのかと思ってしまいますが、何にも関係がないアニメ作品なのが「ザ☆ウルトラマン」。
「ウルトラQ」~「ウルトラマンレオ」まで世界観を共通としていた一連のシリーズから、世界観を一新してシリーズそのものをリブートしたと言えるのがこの「ザ☆ウル」でした。
世界観を一新しているので、ぶっちゃけタイトル以外には初代「ウルトラマン」と繋がる要素は薄いですが、主人公が所属する防衛チーム・科学警備隊の名称が、初代「ウルトラマン」の科特隊と「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊からのニコイチとなっていたり、科学警備隊のエンブレムが科特隊と同じく流星を模したマークだったりと、初代「ウルトラマン」との繋がりを微かに感じられる部分もありました。
ウルトラマンパワード
「ウルトラマンG」に続いて海外で制作されたウルトラマンが、「ウルトラマンパワード」。
「帰ってきたウルトラマン」のウルトラマンジャックと同様に初代ウルトラマンのそっくりさんであるパワードが主人公ですが、こちらは世界観を一新していて、「ウルトラQ」~「ウルトラマンレオ」までとは別の世界を舞台としています。
最大の特徴なのが、明確に初代「ウルトラマン」のリブート作品となっていることです。
毎回、バルタン星人やゴモラ等の初代「ウルトラマン」に登場した人気怪獣が新デザインになって登場する上、それらが登場する各エピソードも初代「ウルトラマン」のストーリーをリメイクしたものとなっています。
同じく初代「ウルトラマン」のリブート作品である「シン・ウルトラマン」と、ストーリーやデザインについて、リブートの方向性の違いを見比べてみるのも面白いかもしれません。
「パワード」には「シン・ウルトラマン」の樋口真嗣監督がメインスタッフの1人として関わっていて、現地のスタッフとのやりとりにはいろいろ苦労したんだとか。
ウルトラマンネオス
初代ウルトラマンとウルトラセブンのそっくりさんが活躍する作品なのが「ウルトラマンネオス」。
そっくりさんという点では、初代ウルトラマンとシン・ウルトラマンの関係に近しいものがありますね。
新しい時代のウルトラマンとして相方のセブン21と共にショーや雑誌掲載等で活躍しましたが、TVシリーズ自体は作られずに終わり、デビューから数年後にオリジナルビデオとして改めて映像作品が作られるという、変わった経緯を持ったウルトラマンでした。
初代ウルトラマンとはあくまで見た目が似ているだけの別人で、オリジナルビデオの世界観は初代「ウルトラマン」とは異なりますが、出身地は同じ光の国であり、劇中にはゾフィーが登場したり、後の作品で初代ウルトラマンと共演することもありました。
オリジナルビデオ作品ということで全12話と短く、ウルトラマンと怪獣や宇宙人との戦いを一話完結で描くというウルトラシリーズらしさが短い中にもギュッと詰まった作品となっているので、時間がない中でもウルトラシリーズに触れたいという方におすすめです。
「シン・ウルトラマン」に総理大臣役で出演している嶋田久作さんが防衛チームHEARTの隊長として出演しているので、そういう意味でも「シン・ウルトラマン」からウルトラシリーズに興味を持った人にもおすすめしたい作品です。
甦れ!ウルトラマン
ここまでに紹介した作品は全て、主役ウルトラマンが別人であったり、世界観を異にするものばかりでしたが、この「甦れ!ウルトラマン」は初代「ウルトラマン」そのものの派生作品となります。
映画「ウルトラマンゼアス」と同時上映されたこの作品は、初代「ウルトラマン」の映像を再構成した上でオリジナルキャストが新たなセリフをアフレコし直すことで、全く新しいストーリーの映像作品にするというシリーズの中でも異色の方法で作られた斬新な作品でした。
その作り方ゆえに、口パクとセリフが全然合ってない部分もありますがそれはご愛敬。
正史では最終回でゼットンに倒されて一度死んでしまい地球を離れることになる初代ウルトラマンが、死なずに地球に滞在し続けるというIFのストーリーを描いており、正史とは違い科特隊の助力を得てゼットンに勝利するウルトラマンの姿は一見の価値ありです。
残念ながら映像メディアは公開当時のVHSくらいしかなく、現在ではなかなか視聴困難だと思いますが、機会があれば是非とも見ていただきたい1本です。
ULTRAMAN
2004年にULTRA N PROJECTという一連の作品群の1作として公開された映画がこの「ULTRAMAN」。
先述の「パワード」が作品全体として初代「ウルトラマン」をリブートした作品だったのに対し、こちらは“宇宙怪獣を追って地球にやってきたウルトラマンが地球人の青年と一体化して怪獣を倒す”という初代「ウルトラマン」第1話のストーリーを膨らませて1本の映画にリブートした作品です。
そのため、主役ウルトラマンであるザ・ネクストが戦う敵が、初代ウルトラマンの最初の敵であったベムラーをオマージュしたデザインになっています。
従来のウルトラシリーズのような防衛チームや架空の戦闘機ではなく、「シン・ウルトラマン」と同じように自衛隊や実在の戦闘機が活躍するのも見どころ。
一応、この映画からTVシリーズ「ウルトラマンネクサス」へとストーリーが繋がっていくのですが、この映画自体は1本できちんとストーリーが完結しているので、短い時間でサクッと見られる点でもおすすめです。
ULTRAMAN
先述の「ULTRAMAN」と同タイトルですが、全く内容の異なるマンガ&アニメ作品なのがこちらの「ULTRAMAN」。
正史では初代ウルトラマンの後にセブン~ヒカリまでのウルトラ兄弟たちが地球を守って戦ったのに対し、こちらは初代「ウルトラマン」最終回でウルトラマンが地球を去ってから、他のウルトラマンたちが全く地球にやってこなかったという世界での物語。
他の作品には繋がらない、初代「ウルトラマン」の直接の続編となっており、ハヤタやイデ等、科特隊メンバーが年齢を重ねた姿で登場するのがウルトラファンには嬉しいポイント。
主人公・早田進次郎がウルトラマン型の強化スーツをまとって戦うという、他のウルトラシリーズにはない斬新すぎる点が最大の特徴で、シリーズの新しい魅力を開拓した1本です。
ここまでで紹介した作品の中では一番新しい作品でもあるので、古い映像作品には抵抗があるという人にもおすすめです。
初代ウルトラマン本人も意外な形で登場するので、どんな登場の仕方なのか想像して見ていくときっと楽しめると思います。