感想
本日、TTFCで「忍者戦隊カクレンジャー 第三部・中年奮闘編」が配信開始されました!
歴史の長いスーパー戦隊シリーズでも初となる、放送から30周年を記念しての新作です。
「忍風戦隊ハリケンジャー 10YEARS AFTER」以降、10年20年の周年で新規映像作品が制作されるのももはや定番となりましたが、30周年で新作を作ったのはカクレンジャーが初。
他の周年作品のように劇場公開などがなく、今のところ円盤の発売予定もない純粋なTTFCオリジナルの作品ではありますが、他の周年作品に決して劣ることのない素晴らしい周年作品でした!
本作の時間は、特撮作品の1エピソードとしてはオーソドックスな約30分。
ただ、「カクレンジャー」は25分時代(=戦隊シリーズの放送時間が今の30分ではなく25分しかなかった時代)の作品だったので、OP・EDやCMを除いた正味のドラマ部分は20分もありませんでした。なので今回の「第三部・中年奮闘編」は当時の2話分くらいのボリュームになります。
その2話分のボリュームの中にカクレンジャーらしさがギュッと詰まっているので、とても30分とは思えない満足感が味わえますよ。
「カクレンジャー」放送当時にリアルタイムで見ていたアラサー世代は、見たら絶対に楽しめる内容になっているので、今すぐに見に行きましょう!
以下、ネタバレ感想です。
OP、EDのバージョンアップ
本作のOPとEDは「シークレットカクレンジャー」と「ニンジャ!摩天楼キッズ」の原曲のままですが、映像は当時の演出はほぼそのまま新撮パートと、エモエモの当時映像で構成。
青い背景に5つのドロンチェンジャーが並び、サスケのドロンチェンジャーが開いてタイトルが表示され、月夜をバックに5人のカクレンジャーが降りてくるというあのOP冒頭シーンが完璧に再現されていて、早くも涙腺崩壊。
あの頃の思い出の映像が、現代でちゃんと新しくなってるのエモすぎませんか?
サビ前に、その回に登場する妖怪の紹介カットがあり「?→」のテロップが入るという演出もばっちり再現。こういう細かいところをちゃんとやるとオタクは感動するんですよなぁ。
これだけちゃんとしてるのに、OPの最後が月に向かって走り去っていくカクレンジャーの後ろ姿ではなくなっていたのだけは、ちょっと納得いきませんが(苦笑)
EDはドロドロだけではなく、カクレンジャーの5人や本作に登場した全キャストが踊るという、まぁ今や定番の戦隊EDの形式に。
若干ぎこちなく踊る中年カクレンジャー5人の姿に、今やアラサーとなった我々リアルタイム視聴者の頬も緩むというものです。
事前に登場が告知されていた長澤奈央さん(ハリケンブルー)、山本康平さん(ハリケンイエロー)、多和田任益さん(スターニンジャー)は、このEDのみの登場。封印の扉の前でサスケたちが頑張ってるシーンで、駆けつけるのこの3人だと思ってたのに!(笑)
鶴姫役の広瀬さんは、このEDでのみ「おしおき三姉妹」でのセーラー服姿、さらにその元ネタである「有言実行三姉妹シュシュトリアン」の変身後の姿を披露。なんでEDでだけ!?
既存の商品で済むであろうセーラー服はともかく、シュシュトリアンの衣装は当時の物が残っていたのか、はたまたこのEDのためだけに新しく作ったのか、気になります…
猫丸
カクレンジャーたちの移動拠点だった、妖怪の猫丸は本作でも登場。
残念ながら当時の車両はさすがに残ってないのか、本作では少し小型のキッチンカー型に変更。まぁこればっかりは仕方なし。
劇中では特に猫丸の見た目が変わったことに関する説明はありませんでしたが、猫丸はただの車ではなく妖怪なので、カクレンジャー5人が別々に行動するようになり全員を乗せる必要がなくなったので、小型の体に変化したってことで納得は可能ですね。
脳内保管、脳内保管。
ただ、車体の色が赤になってたんですが、作中に別の黄色いキッチンカーが出ていたので、赤じゃなくて黄色い方を猫丸にしてくれよ!と思いました(笑)
新時代ユキオンナ
「仮面ライダーギーツ」のツムリで最近の特撮ファンにはお馴染みの青島心さんが、新時代妖怪のユキオンナ役で出演。
妖怪形態でも見た目がほぼ青島さんのまんまなんですが、まぁこの辺は予算的な問題で仕方なし。
「カクレンジャー」の放送当時も、ユキオンナとかカラカサとか、女性型の妖怪は顔が人間そのままか、造形で人の顔が再現されたりしてることが多かったので、原作リスペクトではあります。
それに、可愛い女の子は着ぐるみにならない方がいいもんな(?)
貴公子ジュニア関連
本作のメインゲスト、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さん演じる吾郎は、なんと貴公子ジュニアの子供!
ジュニア、子供とか作れたんだ…
まぁ、そもそもジュニア自体、妖怪大魔王の息子だもんな…
妖怪大魔王、どうやって子供作ったんだろ…(考えたくない疑問)
ジュニアの妻で、吾郎の母親である女性を演じたのは岩田眞優さん。「ウルトラマンジード」に愛崎モア役で出演し、その後スーツアクターの岩田栄慶さんと結婚して芸能界を引退された長谷川眞優さんその人ですね。
引退後も夫婦そろって「仮面ライダーセイバー」の坂本監督回に出演されたりしていたので、今回も坂本監督のコネによるものと思われます。
いやぁ、坂本監督作品に一度でも出演するとおちおち引退も出来ませんなぁ(笑)
貴公子ジュニア役の遠藤憲一さんは、本当にまさかの再出演。「デカレンジャー」の映画から考えても20年ぶりなので、本当よく出てくれました…と感謝するばかり。
出番は短いながら、メインゲストの父親役ということでまさかの善玉的な立ち回り。
まさか、貴公子ジュニアにいい意味で泣かされる日が来るとは思いませんでした…
キリンレンジャー&ブルービート
特撮ファンお馴染みの土屋兄弟(土屋大輔さん、土屋圭輔さん)。
当時も太郎次郎役で出演されておりましたが、太郎次郎は放送当時に死亡したので、本作では弟にあたる三郎、四郎役で出演。
四つ子?(笑)
三郎と四郎は、兄2人と違って犬にはされてなかったみたいです。
2人の胸ポケットには、それぞれ青と黄色のハンカチが。これは、大輔さんが「重甲ビーファイター」のブルービート、「五星戦隊ダイレンジャー」のキリンレンジャーだったことにちなんでますね。
まぁ、この辺は細かく説明せずとも特撮ファンには伝わるでしょう。
主人の義輝様が赤いハンカチなのは、もちろん五代高之さんがバルイーグルだったから。3人で並ぶと、赤青黄で戦隊的にもバランスいいですね。
封印の扉
本作では当時の最終回を尊重し、ドロンチェンジャーは封印の扉を塞ぐのに使っている設定。
吾郎を救うため、危険を顧みずにサスケと三郎・四郎がドロンチェンジャーを回収に行くシーンは(ニンジャマンの登場も相まって)激アツ。
「ゴーカイジャー」の時も、「ニンニンジャー」の時もカクレンジャーは復活(ニンニンの時はサスケのみ)してるんですが、とりあえず本作ではそのことは考慮してないみたい。
主に放送当時の視聴者をターゲットにしてると思われるので、他の作品にまで細かく触れないのは正しい判断。
まぁ「ゴーカイジャー」の時は地球最大のピンチだったので、妖怪の扉側も空気を読んでドロンチェンジャー返してくれたと思えば、脳内保管は簡単です。
ただ「ニンニンジャー」に関しては擁護不可能。本作のEDにスターニンジャーのキンジが出てるので、「ニンニンジャー」とは繋がってませんという言い訳も通じないし(笑)
挿入歌
バトルシーンの挿入歌に「イントゥ デンジャー カクレンジャー」と「星よ、にじむな!」が採用。
「カクレンジャー」の挿入歌といえばコレ!って感じの2曲なので、本当分かってるって選曲でしたね。
「イントゥ デンジャー カクレンジャー」はOPを差し置いて最終回の次回予告でも使用されていたので、やはりあのイントロを聞くとテンションが上がります。
「星よ、にじむな!」も、いつ聞いても名曲ですな。
武器!
バトルシーンでは、それぞれの専用武器、レッドスライサー、ホワイトビーク、イエロークロー、ブルーショット、ブラックボウ、さらにカクレンジャーボールが登場!
たしか「ゴーカイジャー」等の客演でもカクレンの個人武器やカクレンジャーボールは登場していなかったと思うので、地味に本作の見せ場。
30周年の作品であっても、きちんとこういったプロップを出すことに妥協しなかったのは凄い。
ただ逆に、今後30周年を新しくやる戦隊としては、こういう細々としたファンの嬉しいポイントで妥協できなくなったというのは困ったポイントでもありますな(苦笑)
カクレンジャーの5人にはそれぞれ単独での斬撃必殺技が設定されているんですが、今回はレッドの満月斬りとブルーの正方の陣のみ披露。
これがおそらく最後の機会なんだから、どうせなら全員使ってほしかった!
無敵将軍!
バトルの最後に、まさかの無敵将軍登場。
「199ヒーロー大決戦」のロボ集合シーンでは、着ぐるみはありつつも動かない立像状態での登場だったので、動くシーンは放送当時以来?
戦闘はなく頷くのみでしたが、元々意志を持つ存在だし、そもそも当時から勝手に1人で動いていたので、カクレン的にはこれで良し(笑)
続きはある?
ラストでは吾郎が25代目カクレンジャーのリーダーに任命され、封印の扉の奥で何かが蠢いているという、何だか続きがありそうな感じで終了。
ただ、同じように続きがありそうな終わり方をした坂本監督の「スペース・スクワッド」のシリーズがもう6年も音沙汰無しなので、望みは薄いだろうな~(笑)