第9話
深淵に集ういにしえの亡者たちの、錆びつき朽ち果てた栄光の影は、時の彼方の誇りによって闇の中で微かに灯る
感想
元ネタの話をしよう
第5話に小宮有紗さんが出演したことで初視聴したアニメ「怪人開発部の黒井津さん」。
てっきり小宮さんの出番は1話限りかと思っていたら翌週の6話にも出演されていたので、これはレギュラー入りか!?と喜んだところそれっきり登場なし。まぁアニメ自体がそこそこ面白いのが救いです(笑)
そんな「黒井津さん」ですが、9話は特によかった!
何と言ってもAパートの水着回! …ではなく、特筆すべきはBパート。
Bパートのあらすじは、黒井津さんがふらりと立ち寄った小料理屋が、実は年老いた元ヒーローや悪の組織のたまり場だった!というもの。
あらすじだけ書くとなんてことないんですが、この小料理屋のシーンで登場するキャラクターやそのセリフが、実在する超有名特撮ヒーロー作品の明らかなパロディになっており、元ネタが分かる特撮大好きオジサン層には爆笑ものだったのでありました。
以下、元ネタを筆者が分かる限りで紹介します。
カレーとアンパン
カレーは「秘密戦隊ゴレンジャー」のキレンジャー=大岩大太の好物で、アンパンは「電子戦隊デンジマン」のデンジブルー=青梅大五郎の好物。
それぞれを食べているモブキャラのデザインも、色以外は元ネタの服装に近付けているのがニヤリとします。
メニュー表で、見切れていますが「あん」の隣が「ゴン」となっていますので、おそらく「あんぱん」と「ゴンのカレー」と書いてあるのでしょう。
ゴレンジャーたちの拠点が「スナックゴン」で、カレーはそこのメニューでした。
タバコ型冷却材を吸う原子炉搭載アンドロイド
チュッパチャップスっぽい見た目のタバコ型冷却材を吸っている原子炉搭載のアンドロイドの男性(EDクレジットでのキャラ名はハチロー)は、「エイトマン」のエイトマンこと東八郎が元ネタ。名前もそのまんま。
特撮ヒーローと魔法少女を専門にパロっていると思ったら、アニメのヒーローもイケるのか黒井津さん…
いやまぁ、エイトマンにも特撮版あるっちゃありますけども(笑)
宇宙警備隊の銀の一族
事故死させた相手になりすました挙句、上司だった兄に命を2つ持ってきてもらってもみ消した話をしているモヒカンの男性(キャラ名はシン)は、「ウルトラマン」でウルトラマンがハヤタを事故死させてしまったことと、最終回で仲間のゾフィーが命を2つ持ってきてくれてハヤタを蘇生したのが元ネタ。
だいぶ悪意のある言い方に改変されてはいましたが(苦笑)
キャラ名は、ハヤタのフルネームであるハヤタ・シンから。
ちなみに、元ネタの「ウルトラマン」最終回時点ではウルトラ兄弟は結成されていないので、まだゾフィーはウルトラマンの兄ではありませんでした。
怪人バッタ男に逃げられた白戦闘員
脳改造を後回しにしたせいで怪人バッタ男に逃げられてしまった白戦闘員(キャラ名は老人)は、「仮面ライダー」で仮面ライダー1号=本郷猛が脳改造前に脱出してしまったことが元ネタ。
キャラ名が固有名詞ではなくただの老人なのは、元ネタが役名なしのショッカー白戦闘員だからでしょう。
ちなみに本郷が逃げ出せたのは協力者だった緑川博士の手引きによるものなので、白戦闘員は悪くありません(笑)
自動車はドライバーだし、電車なら運転士だろ?
稲田徹さんボイスのモブキャラが、バイクではなく自動車や電車に乗っているヒーローを非難しているのは、仮面ライダーなのにバイクに乗らないライダーがいることが元ネタ。
車に乗るのは仮面ライダーBLACK RXやドライブ。
電車に乗るのは仮面ライダー電王。
上司の許可が下りないと変身できない
上司の許可が下りないと変身できないヒーローといえば、有名どころは「スペクトルマン」のスペクトルマン。
足の小型原子炉を暴走させた熱で敵をキックする技
Twitterでは仮面ライダーV3の火柱キック説もありますが、火柱キックは原子炉による高熱を使うだけで別に暴走させているわけではないので、説としてはイマイチ。
まぁ他にこれといった元ネタも思い当たらないんですけど。
5人組ヒーローに愚痴を言うおばさん
ヒーローが5人組で、巨大ロボを使ってくるというのはほとんどのスーパー戦隊に当てはまる普遍的な内容なのでこれといった元ネタというものはありません。
ただ、それを言っているキャラクターの名前がマチコなのは、これはもう3つのスーパー戦隊や数々のヒーローを相手に雄々しく戦った女優曽我町子さんが元ネタと見て間違いないでしょう。
懐かしやバンドーラ様。
ちょうど今、東映特撮YouTubeで「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が配信中なので、曽我町子さん懐かしいなって思った人は見てみると良いと思います。
ブラウスの第3ボタンが爆弾
彼女のブラウスの第3ボタンが爆弾のスイッチだったことに嘆く男性(キャラ名は一郎)は、「キカイダー01」でビジンダー=マリのブラウスの第3ボタンが爆弾のスイッチだったことが元ネタ。
キャラ名の一郎は、キカイダー01の人間体であるイチローから。
マリが悶えながらブラウスのボタンを外すよう求めるシーンは、テレビの前のちびっ子たちもドキドキしながら見ていたんだとか。
ビジンダーはともかく、マリ役の志穂美悦子さんは今見ても美しい。
ローカルヒーローの敵の方々
ケンカしているローカルヒーローの敵の方々は実在する人たちで、EDでもばっちり実写で紹介されているので特に元ネタも何もないんですが、ウルトラマンアグルでお馴染みの高野八誠さん監督の自主製作映画「HE-LOW THE SECOND」は元から俳優陣が豪華なおかげで、本作でも見事に声優が豪華。
スライダー仮面龍騎士=須賀貴匡さん
ワルインダー仮面=松田賢二さん
「HE-LOW」は以前の回でもゴゴレッド(青柳尊哉さん)が登場していましたから、「黒井津さん」は実質「HE-LOW」のアニメ版になりつつあります(?)
メタルボルト将軍を演じているのは中屋敷哲也さんで、昭和の仮面ライダーシリーズで数々の主役ライダーを演じた昭和のミスター仮面ライダーと言うべき伝説のスーツアクターさんです。
昭和ライダーでは顔出しでの出演も多かった中屋敷さんですが、まさか令和の時代にTVアニメで声優やらされることになるとは思ってもなかったでしょう(笑)
ピピルマパープル・クルクルリンクル・マハリクテクマク(以下略)
最後に魔女っ子に変身する女将さんの変身呪文は、魔女っ子アニメの呪文が元ネタでしょう。
筆者は専門外なのでほとんど分かりませんが、「魔法使いサリー」のマハリクマハリタと「ひみつのアッコちゃん」のテクマクマヤコンくらいなら、有名すぎて誰でも分かってしまったのではないでしょうか?
レジェンドヒーローナレーター 宍戸勝さん
最後に、今回のレジェンドヒーローナレーターは「超力戦隊オーレンジャー」のオーレッド=星野吾郎でお馴染みの宍戸勝さん。
現在の芸名は宍戸マサルさんだったと思いますが、あえてオーレンジャー当時の表記にしてるのかもしれません。
というわけで、最終回までにもう1回くらい、今回みたいな特撮大好きオジサンにしか分からんようなネタ回をやってくれるとありがたいものです。
この記事の続きがあるかは「黒井津さん」次第!
超力変身! オーレ!