最終話「俺様たちが世界を支配する」
感想
めでたしめでたしを決して諦めない、永遠に続く物語
ほんの数日前に始まった気がする「キングオージャー」が、なんと今日最終回を迎えました。
ゴッドコーカサスカブトで星間航行してる間に時間が歪んだかな?
前回でほとんどドラマ的なピークは終えていたので、最終回はもう全力でダグデドを倒すのみって感じになってましたね。
本当は1本のお話として見ると最終回であってもピンチからの逆転みたいな要素があった方がいいんだと思いますが、本作の最終3話は3話で1本の映画みたいなもんだと思うので、映画最後の30分だけ抜き出したらこういうヒーローが常に優勢みたいな話になってもおかしくないのでしょう。
戦隊の最終回の定番といえば、本人スーツか素面名乗りだと思いますが、本作はどっちもなし。
いや、素面で名乗り自体はたしかにやってたんですが、戦隊のいわゆる素面名乗りという行事は、普段変身した状態でやっているいつもの名乗りを変身前、もしくは顔だけ変身してない状態でやるってものなので、今回の王様たちのそれは当てはまらないんですねぇ。
なんたって王様戦隊には、いつもの名乗りがありませんから(笑)
10話とかキョウリュウコラボ回で本名は名乗ってましたが、ついぞ変身後の名前は最後まで谷山紀章さんしか名乗ってくれませんでした。
当時さんざん異色扱いされたゴーバスターズですら、レッドバスターが「特命戦隊ゴーバスターズ、レッドバスターだ」ってギャバンに名乗っちゃうくらい途中で路線変更があったことを考えると、異色な作風を最後まで貫けた本作は、まさに戦隊シリーズのエポックメイキングだったと言って良いかもしれません。
でも、全然名乗りやらなかったドンブラザーズだって最終回でちゃんと名乗りやったんだから、王様戦隊も名乗りやってほしかったな(苦笑)
シュゴッドソウルに民の命を集めることで無限の命の代わりとし、ついに超絶怒涛究極完全体キングオージャーが降臨。
誕生のきっかけになったのが、「ラクレス王の秘密」に登場したベダリアだったのもよかったですね。
ベダリアの手が出てきた時は「おばけ!?」ってなりましたけど、そういえば先週までハーカバーカから死人が助けに来てくれてたので、ベダリアも画面に映ってないところで助けに来てくれてたのでしょう。
ぶっちゃけ、第二部ではロボをないがしろにしてきたと言っても過言ではない本作ですが、最終回ではそれを取り戻すかのように
- バンク映像ではない特別な合体シーン
- ただの機械が人間の命令を無視し、人間を守る
- 最強形態から徐々にパーツをパージして、基本形態でトドメを刺す
と、古今東西のロボットもので描かれてきたお約束のシーンを取り入れた熱いロボット特撮を繰り広げていて、感動しました。
そのパワーを1/10でいいから他の回にも分けてほしかったけどなぁ…(笑)
超巨大化して特殊な宇宙空間でラスボスと殴り合いってところだけはだいぶ「天元突破グレンラガン」の最終回でしたが、まぁそういったロボットものを熱いところを取り入れつつ、敵をロボで倒すっていうスーパー戦隊シリーズのキモをきちんと描いてくれたことに感謝ですね。
いやまぁ、本当のトドメは等身大戦でしたけど。
本作はずっと、シュゴッドはただの機械って主張が一貫していたんですが、それに違和感を持ってた人は多かったと思うんですよね。
生物を模したロボットをパートナーとしているのに、それを機械扱いするのはどうなの?と。
でも、そうやって生じていた違和感を、最終回でただの機械であるシュゴッドが何の命令もなくパートナーたちを守るために勝手に動いたというロボットもののお約束の展開に繋げていったのは、目からウロコが落ちる思いでした。
最後の最後でメカが自我を持っちゃうって展開は、それこそ東映の「ジャイアントロボ」等から連綿と続く、ロボットものやるならコレ!って感じのお約束のお約束ですからね。
しかもただの機械だからこそ、本当に大事な部分以外は作り直せるってオチに繋げたのも上手かった。
ただの機械ではない、もっと各々がパートナーと絆を深めた機械生命体か何かだとしたら、頭脳や心以外の失った大部分を作り直したとして、それは本当にオリジナルの存在と同一なの?って話になっちゃいますからね。
ここまで本当に第二部はロボをないがしろにしてきたというのに、最終回でこんな急にロボットものへの解像度が高くなると思ってなかったので、筆者は温度差で風邪を引きそうです(苦笑)
ダグデド戦後は、平和になって各国の交流がさらに盛んになったチキューの姿を描きつつ、ジェラミーのナレーションをバックに新たな戦いに挑む王様戦隊の姿で締め。
スズメのセリフにあった通り、本当に笑顔が増えたラクレス様に感動。
ラクレス様が笑顔になれる日が来てよかった…
というわけで、最終回でございました。
昆虫モチーフということで、異色だった「ドンブラザーズ」から王道へと回帰するのかと思っていたら、まさかのさらに異色の戦隊だったという「キングオージャー」。
ドラマとしては面白いけどもスーパー戦隊としては異色な上に、第二部ではあまりにも少ないロボ戦に、いろいろと好評も不評も悲喜こもごもといった感じの戦隊でした。
筆者としては、一つのヒーローものとして面白いとは感じつつも、過去の戦隊とは違う作風なゆえに乗り切れないところもありましたが、まぁこれは年寄りはみんな感じることなんだろうなぁと自らの老いを実感した次第でした。
あとまぁ、1年前に期待していた「重甲ビーファイター」とではなく、「キョウリュウジャー」が主なコラボ相手だったのは、嬉しくもありつつ、歯がゆくもありつつ(笑)
最終回終了後には、「キングオージャーVSドンブラ」「キングオージャーVSキョウリュウ」の2大VSの新しい特報も解禁になりました。
竜星涼さん演じる桐生ダイゴ、堂々復活!
さらに飯豊まりえさん演じる弥生ウルシェードも復活し、敵は空蝉丸の時空改変のせいで生まれた宇蟲王ギラが相手と、もはやキョウリュウジャーが現行戦隊みたいな内容で、嬉しいような笑えるような(苦笑)
特報ではさらに、キングクワガタオージャー2種、ゴールドンモモタロウ、キョウリュウレッドのそれぞれの新形態が解禁。
さらに王様戦隊側はキョウリュウレッドカーニバルの武器をアームドオン、オオクワガタオージャーはいないけどキョウリュウジャー側は10大戦士勢揃いという…
やっぱこれ、キョウリュウジャーが現行戦隊じゃねーか!
次週、爆上戦隊ブンブンジャー!
まぁキョウリュウジャーへのツッコミはさておき、次週からは新番組「爆上戦隊ブンブンジャー」がスタート!
はたしてブンブンジャーは、王道の戦隊に戻るのか、はたまたやっぱり異色の戦隊になってしまうのか。
気になるから見るしかない!
ありがとう、キングオージャー!
これから頼むぞ、キョウリュウジャー! ブンブンジャー!