とあるグループのファンのみならず、特撮ファンまでもが気になっている映画がある。
「スーパー銭湯 純烈ジャー」だ。
その「純烈ジャー」に、かつて仮面ライダーを演じていた俳優3人を含む4人が、純烈ジャーに敵対する四天王を演じることが本日新たに発表された。
敵の四天王の内3人が仮面ライダー。元ヒーローが大半を占める純烈らしい、粋なキャスティングである。
ところでこのキャスティング、特撮ファンならば何か「仮面ライダーであること」以外にも意図があることを感じないだろうか?
ということでこの記事では、「純烈ジャー」敵四天王の隠されたキャスティング意図について、特撮ファンとしての視点で解説していきたい。
結論:純烈メンバーに対応するヒーローがキャスティングされている
いきなりの結論で申し訳ないが、敵四天王の隠されたキャスティング意図とはズバリ、純烈メンバーがかつて演じていたヒーローと似た特徴を持ったヒーロー(を演じた俳優)をキャスティングするということである。
これさえ聞けば、特撮ファンなら「あー、なるほどね」と全てを理解してこのブログを速攻で閉じるであろう。
しかし、特撮に詳しくない人には何のこっちゃな話だと思われるため、もう少しだけ解説していこう。
ザウナ役/岩永洋昭さん
岩永洋昭さんがかつて演じていたヒーローは、仮面ライダーバース。
バースは多彩な武器を使いこなすライダーでもあったが、その最大の特徴はプロレス技を使うことだった。
プロレス技を使うライダーを演じていた岩永さんがキャスティングされたこと。それはつまりこのキャラクターが、純烈リーダーの酒井一圭さんの対戦相手となるべき存在であることを意味している。
それは何故か?
酒井さんが演じていたガオブラックが、元力士という設定だからである。
元力士の戦隊ヒーロー VS プロレス技のライダーという、肉弾戦が得意なヒーロー同士による戦いという夢の対戦カード。特撮ファンを唸らせる奇跡の組み合わせである。
このガオブラックVS仮面ライダーバースのように、「純烈ジャー」の四天王は、純烈メンバーが演じたヒーローに対応するヒーローがキャスティングされている。
では、他の組み合わせについても順に紹介していこう。
ガラン役/松本享恭さん
松本享恭さんがかつて演じていたヒーローは、仮面ライダースナイプ。
スナイプはその名前の通り、銃を使うライダーだった。
純烈メンバーで、銃を使うライダーといえば? そう。小田井涼平さんの仮面ライダーゾルダである。
銃のライダー VS 銃のライダーという非常に分かりやすい対戦カード。さらにゾルダは弁護士、スナイプは医者の仮面ライダーであり、どちらも高給取りなイメージのある職業という組み合わせにも、かなり意図的なものを感じられる。
銃のライダーは数あれど、高給取りな職業に就いているライダーはなかなかいない。
こういった点でも、四天王のキャスティングがかなり特撮愛に溢れていることが見えてくる。
ゾープ役/白又敦さん
白又敦さんがかつて演じていたヒーローは、仮面ライダー黒影。
黒影最大の特徴は、後に量産されて戦闘員扱いになってしまったことだが、そうではなく黒影という仮面ライダーの特徴は、槍を使うライダーであったことだ。
さて、純烈メンバーの元ヒーロー最後の1人、白川裕二郎さんが演じたカブトライジャーの特徴は何だっただろうか?
そう。イカヅチ丸という棍棒を使って戦うことだ。
棍棒を使う戦隊ヒーロー VS 槍を使うライダー。長い得物を武器として戦うヒーロー同士の対決ということで、やはりここでも素晴らしい特撮愛が感じられる。
ジャワー役/龍真さん
四天王最後の1人である龍真さんは、特撮ヒーローへの出演経験はない。
これは当然ながら、純烈メンバーにおいて唯一特撮ヒーロー経験のなかった後上翔太さんに相対するべく選ばれたものと思われる。
4人中3人がヒーローである純烈に対し、4人中3人がヒーローである四天王が立ちはだかる。このキャスティングが意図していない偶然の産物だと考えるのは、あまりにも不自然である。
四天王全員をヒーローで固めなかったことにこそ、このキャスティングの必然性が感じられる。
場面写真からも読み取れるキャスティング意図
1人ずつ具体的に説明したことで、四天王の隠されたキャスティング意図について、特撮に詳しくない人でも理解していただけたのではないだろうか。
実は、ここまでに述べてきた四天王のキャスティング意図は、公開されている場面写真からも読み取ることが出来る。
発表された四天王のビジュアル以外にも、四天王と純烈ジャーとの戦闘シーンが公開されているが、その戦いの組み合わせが、本記事で説明したヒーロー同士の組み合わせそのままなのである。
純レッド(白川裕二郎さん) VS ゾープ(白又敦さん)
純ブルー(小田井涼平さん) VS ガラン(松本享恭さん)
純バイオレット(酒井一圭さん) VS ザウナ役(岩永洋昭さん)
この写真こそ、純烈から特撮ファンに向けたメッセージである。
「かつてヒーローを応援してくれた、君たちに向けた要素を詰め込んだぞ!」という、声なき声なのだ。
この声なき声を聞いて、我々特撮ファンはどうすべきなのか?
そうだ。映画、行こう。