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【君は見たか? 大人が超本気で作った仮面ライダーを】仮面ライダーBLACK SUN 全10話感想
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【君は見たか? 大人が超本気で作った仮面ライダーを】仮面ライダーBLACK SUN 全10話感想
2022.10.28
感想
本日10月28日0時から、ついにAmazon Prime Videoで配信開始となった「仮面ライダーBLACK SUN」!!
全10話。配信開始からぶっ続けで見続けて約7時間40分の映画3本分ほどのボリュームの大作。見終えたので、ネタバレもしつつ感想を書いておきたいと思います。
ご存じない方はいないと思いますが、この作品は今から35年前に放送された特撮ヒーロー番組「仮面ライダーBLACK」(以下、旧作と表現します)のリメイク。旧作のエッセンスを取り入れつつ、全く違う作品に仕上げたのが「BLACK SUN」です。
記事のタイトルで“超本気で作った仮面ライダー”なんて書きましたが、これは別にいわゆるニチアサの仮面ライダーは手を抜いて作られていると言いたいわけではありません。誕生から51年間本気で作られてきた仮面ライダーを超える本気で作られたのが、この「BLACK SUN」であるということです。
主演の南光太郎=仮面ライダーBLACK SUN役に西島秀俊さん。秋月信彦=仮面ライダーSHADOWMOON役に中村倫也さん。
主演以外の俳優陣にも映画やドラマで大活躍中の人気俳優でこれでもかと固められていて、その超本気度がキャスティングから伝わってくるというものです。「この仮面ライダーを多くの人に見てもらいたい!!」という東映の気持ちの表れでしょう。
ただこの作品、そんな東映の気持ちが感じられるのとは裏腹に、内容は全然万人向けではありません。
作中一番の大悪党が総理大臣だったり、ゴルゴムがそれほど悪の組織ではなかったり、人種差別がテーマの一つであったり、バトルシーンでは血しぶきが舞うのが当たり前であったり、首や腕や足が欠損したり内蔵が出たり。他にもいろいろ、お話的にも映像的にも人を選ぶだろうなというポイントばかり。
万人向けではないとは思うのですが、東映が超本気で仮面ライダーを作ったらどうなるか?という問いの答えは多くの人に見てほしいなと個人的には思うところです。
東映の超本気がどうとか関係なく、旧作のリメイクとしてどうなのか?といった観点については、筆者としてはわりと楽しめました。
ぶっちゃけ、キャラクターの名前やもろもろのキーワードが共通である以外は旧作とは全然違うお話なのですが、ところどころでしっかりと旧作を見ていたファンなら楽しめる要素が出てくるといった感じ。
たとえば、第二話に登場する筧美和子さん演じるアネモネ怪人。このアネモネ怪人が花粉で光太郎の変身を封じるという能力を使ってくるのですが、旧作のアネモネ怪人登場エピソードも「ライダーの変身の光に反応して爆発する花粉を蒔くことで、光太郎の変身を封じる」という展開があり、なんともピンポイントなところで旧作をオマージュしていることが分かります。
堂波総理が開催している怪人のオークションで使われている怪人の写真が、旧作の怪人のまんまというのは、旧作ファンならばニヤリと出来る要素。
また、濱田岳さん演じるクジラ怪人が光太郎に協力的で、瀕死の(旧作では死んだ)ライダーを洞窟に連れて行き、エキスでライダーを復活させるのも旧作通り。クジラ怪人が謎の液体で死にかけのライダーを復活させるとか旧作を見てない視聴者には意味不明だと思うのですが、そんな視聴者に特に配慮するでもなく旧作通りの復活イベントをこの作風でやることにした制作陣の英断に拍手を送りたい。
他にも、光太郎(と信彦)が物語の前半ではいわゆるバッタ男の形態にしか変身しないというのも旧作オマージュ。
そこから2人とも完全体の仮面ライダーとなり、旧作の変身バンクをオマージュした緑に光りながらの顔アップでバッタ男⇒仮面ライダーへ二段変身するという変身の描写をしてくれるのも感動ものです。
仮面ライダーBLACK SUNのビジュアルは、事前に公開されていたものだと目まで黒かったり、胸から背中にかけてバッタの足のようなものがくっついていてあまり旧作の仮面ライダーBLACKに似てなかったのですが、これがストーリーが進むごとに、バッタの足が取れ、目が赤くなり、胸にあのマークがつくといった感じで、だんだんとBLACKの見た目に似ていくという演出はなんだかんだで熱くなるものがありました。
そこからの最終回の冒頭の演出。これだけは、ぜひご自身の目で見届けていただきたい。
ちなみにBLACK SUNの胸に描かれるあのマーク、ヒロイン(というか実質主人公)の葵が光太郎の胸にこのマークを描くことでBLACK SUNの胸にあのマークがつくという流れになっています。
メタ的な意味では、BLACK SUNの見た目をBLACKに近付けるため以上の意味はないのですが、作中では結構重要な意味を持っています。
作中では、1972年の過去編の重要キャラであるゆかりが「戦いをやめない」という意味で∞をマークを多用します。過去のゴルゴムメンバーの写真を見て∞のこと知った葵は、光太郎の胸に∞を変形させてあのマークを描きます。
BLACK SUNの胸のマークの意味がセリフで説明されることはありませんが、これは葵から光太郎に向けた「もう戦わなくてもいい」というメッセージだったということでしょう。改造から50年間戦い続けた光太郎への優しさの表れだったということです。
本作最終回後半の展開は賛否両論あると思いますが、50年間戦い続けた者が戦いから解放され、志を受け継いだ次代の若者が戦い続けるという終わり方は、決して悪くはない終わり方だったと筆者は思っています。
まぁ、光太郎が50年間何と戦い続けてきたのかはっきりと描写されないことはモヤモヤする部分ではありますが(人間を襲う悪の怪人がいるという世界観でもないし、光太郎自身が暗殺者の仕事で食いつないできたらしき描写もあるし)
つらつらと書いてきましたが、もちろん不満がないわけではありません。
たとえばビルゲニアの怪人体のデザイン。
怪人体でも演者の三浦貴大さんの顔が出ているのは旧作のビルゲニアのオマージュなのですが、顔出しっぱなしで全身ピンクでもなんとなくカッコよかった旧作のビルゲニアに比べると、本作の怪人体ビルゲニアは正直カッコよくない(笑)
サタンサーベルをビルゲニアが使っていたり、そのサタンサーベルが創世王を倒す切り札だったり、ビルゲニアそのものも活躍シーンが多かったりと、ビルゲニア自体の扱いは悪くないのですが、怪人体のデザインだけ作風から浮いてるのが少々残念。
旧作通りに顔出しのビルゲニアとは違い、吉田羊さん演じるビシュムの怪人体は逆に顔出し無し。ほぼ演者さんの顔だった旧作の大怪人ビシュムに比べると、本作の怪人体ビシュムは顔がもろに翼竜で残念。
吉田羊さんをワイヤーで吊ってアクションさせられないので仕方ないとは思いますけど…
あと特撮ファンならではの不満点としては、BLACK SUNもSHADOWMOONも変身ポーズが若干ダサかった(笑)ことが挙げられます。
これは別にお二人が特撮ヒーローに向いてないと言っているのではなく、腕の動きをセンサーで読み取るという変身ベルト玩具のギミックが悪かったという話。ギミックの都合上ベルトの上に腕が来てないといけないので、なんかダサいポーズになってしまったということなんでしょうね。
こればっかりは、バンダイさんの技術力がさらに向上して、変身ポーズをもっと精度よく読み取れるようになる日が来ることを願うしかない…
もしくは、画面に映った西島秀俊さんの顔を読み取って変身ギミックが発動する令和のテレビパワーとか…(笑)
※旧作当時に発売された変身ベルトの玩具は「テレビパワー」と称され、テレビの変身シーンの発光によってギミックが作動する物だった。
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