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【令和版「渡り鳥怪獣の子守歌」】Ultraman: Rising 感想

特撮・アニメ
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ネタバレ感想

ウルトラマンライジング!

6月14日、Netflixにてウルトラシリーズの最新作のアニメ「Ultraman: Rising(ウルトラマンライジング)」が公開になりました。

Netflixでのウルトラシリーズの配信は同じくアニメである「ULTRAMAN」の前例がありますが、あちらは漫画原作だったため完全オリジナルの作品は「Ultraman: Rising」が初となります。

アメコミ作品である「THE RISE OF ULTRAMAN」と若干タイトルは似ていますが、そちらのアニメ化というわけでもないようです。筆者が「THE RISE OF ULTRAMAN」未見なので、もしかしたら一部要素は取り入れられてる可能性もありますが。

 
あらすじとしては、プロ野球選手であり、ウルトラマンでもある主人公サトウ・ケンがひょんなことから赤ちゃん怪獣のエミを育てることになる…というストーリー。

ストーリーそのものはありがちですが、それをウルトラマンでやるとどうなるかってのが見どころの作品。

事前情報をあまり仕入れてなかったので知りませんでしたが、連続ものではなく約2時間の映画でした。このご時世、10話も20話もある作品をイッキ見するのは体力がいるので、サクッと見られるボリュームでよかったなと言うべきところかもしれません。
 

ほぼニュージェネ

とりあえず1回通しで見てみましたが、「意外と悪くなかったな」ってのが正直な感想でした。

というのもこの作品、ところどころでウルトラマンに対する解釈違いみたいな描写(ウルトラマンが逃げ遅れた民間人にベラベラ話しかけたり)があるにはあるのですが、基本的なところはほとんどニュージェネっぽいんですよね。

ニュージェネってのはニュージェネレーションヒーローズと呼ばれるウルトラシリーズのことで、(厳密な定義はないものの)「ウルトラマンギンガ」以降のTVシリーズのことを指します。

ニュージェネでは、それまでのウルトラシリーズには見られなかったような設定やストーリー展開が描かれ続けているのですが、「Ultraman: Rising」も意図的かたまたまかは不明ですが、ニュージェネに近い描写が多々ありました。

  1. 主人公が、防衛チーム等に所属しない民間人
  2. 防衛チーム自体は存在しており、主人公とは別勢力として怪獣と戦っている
  3. 主人公が独自に秘密基地を有しており、AIが主人公をサポートしている
  4. 新怪獣だけでなく、往年の人気怪獣も登場する

等々、ウルトラファンなら分かる通り、ニュージェネでよく見る設定のオンパレード。

特に3番なんかは、ほぼ「ウルトラマンジード」そのまんま。サポートAIが空飛ぶ球体なところまで、そのまんまでした。

先述の民間人にまでベラベラ喋りかけるのはやりすぎとしても、サポートAIと会話しながら怪獣と戦うウルトラマンというのはジードもそうだったわけで、インナースペース描写のないニュージェネウルトラマンだと思えば、さほど違和感のないウルトラマン描写だったなって思いました。
 

ちなみにインナースペースというのは画像のような描写のことで、ザックリ言うとウルトラマンに変身している時の変身者の描写のことを言います。

 
考えてみれば、ウルトラシリーズが海外で展開できるようになったのはごく最近のことで、最近のウルトラシリーズといえばニュージェネしかり、「ウルトラギャラクシーファイト」しかり、ウルトラマンが戦闘中に当たり前のように喋るものがほとんどなので、海外の人にとっては、喋るウルトラマンこそが自然なウルトラマン観なのかもしれません。

筆者のような、昭和のウルトラシリーズに馴染みのある人間にとっては最初取っつきづらいかもしれませんが、これまであまりウルトラシリーズに馴染みのなかった視聴者なら、変な先入観を持たずに楽しめるのかも。

過去のウルトラシリーズをいろいろオマージュしている?

本作はウルトラマンが怪獣の子供を育てることになるストーリーですが、実は過去にもほぼ同じ話がウルトラシリーズに存在したことはご存知でしょうか?

それは「ウルトラマン80」の第28話「渡り鳥怪獣の子守歌」という話。

このお話では、渡り鳥怪獣のバルが刷り込みによって矢的猛=ウルトラマン80を親だと思い込んでしまう…という、「Ultraman: Rising」とほぼ同じストーリーが描かれます。

最終的な結末こそ全然違うものの、「Ultraman: Rising」を見てバルを思い出した往年のウルトラファンは多かったのではないでしょうか。

ちなみに「ウルトラマン80」のヒロインの名前はエミです。

昨年放送されていた「ウルトラマンブレーザー」のヒロインもエミ

「Ultraman: Rising」の赤ちゃん怪獣もエミ

ウルトラシリーズに、エミ多すぎなんじゃ…(笑)
 

  
また、「Ultraman: Rising」ではケンとエミの擬似親子関係だけでなく、ケンと父親の親子関係の修復にもスポットが当てられており、全体を通して家族をテーマにした物語になっています。

家族をテーマにしたウルトラマンの映画と聞くと、思い出すウルトラファンもきっと多いのではないでしょうか。

そう。「ULTRAMAN」を。
 

 
先ほどタイトルを挙げたアニメ「ULTRAMAN」とタイトルが一言一句同じなので紛らわしいですが、こちらは「ウルトラマンネクサス」の前日譚に当たる実写映画。

家族との時間を増やすために退官を決めた空自のパイロットが、偶然にもウルトラマンになってしまい…というストーリー。

主人公が子側か親側かという違いはあるものの、ウルトラマン映画で家族を描いた点は「Ultraman: Rising」と同じ。

「Ultraman: Rising」でウルトラシリーズに興味を持った新しいファンの方には、是非とも見てもらいたい1本です。

高めの年齢層がターゲットの作品だったので、敵が少々グロいのが難点ですが…(苦笑)
 

 
めちゃくちゃネタバレで申し訳ないのですが、終盤では小日向文世さん演じるケンの父もウルトラマンに変身します。

まさか、小日向文世さんがウルトラマンになる日が来るなんて…(笑)

小日向文世さんがウルトラマンに変身すること自体は斬新ですが、実は地球人の親子2代が揃ってウルトラマンに変身することには前例があります。
 

 
それが先述のアニメ「ULTRAMAN」

こちらは初代「ウルトラマン」の直接の続編となっており、ウルトラマンと一体化して戦っていたハヤタの息子の早田進次郎が、ウルトラマンスーツという強化服を装着して侵略者と戦うお話になっています。

物語序盤で一旦戦線離脱したハヤタも、途中からゾフィースーツを装着して戦うことなります。ハヤタがゾフィーになる展開に、漫画版の読者は痺れました。

親子が揃ってウルトラマンになり、且つ見た目もほとんど一緒というのは「Ultraman: Rising」も同じです。

考えてみると、アメコミヒーローは子や孫が2代目ヒーローとなる作品がよくある気がします。

アニメ「ULTRAMAN」も(国内よりは)海外に向けて作られていたことを考えると、海外ではヒーローの力が親から子へ受け継がれていく展開にとても馴染みがある=だからこそ「Ultraman: Rising」も親子ウルトラマンになっている…ということなのかも。
 

 
ちなみに、敵怪獣に親子ウルトラマンが合体スペシウム光線(子トラマンの右手に親トラマンの左手をクロス)を放ちますが、歴史の長いウルトラシリーズにはそれすらも前例があります(笑)
 
それが、「ウルトラマンSTORY0」という漫画作品。

この漫画の12巻で、ジャックの右手に初代ウルトラマンの左手をクロスさせるという形で2人が合体スペシウム光線を放つ描写があります。

それ以外にもウルトラファンにはたまらない描写満載の漫画なので、未見の方はぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
 

  
他にも、本作に登場する防衛チームKDFの制服が、科学特捜隊とウルトラ警備隊の制服のフュージョンといった感じになっていたり、街の看板に往年のウルトラ怪獣や人物名が隠れているといったような、分かりやすい小ネタも。

これから視聴される方も、もう一度見直す方も、どんな小ネタが隠されているのかいろいろ見つけてみるのはいかがでしょうか。

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